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シリーズ日中関係を考える第2回日中関係は「良い」のか「悪い」のか-視点を考える-

  • Y
  • 2015年10月8日
  • 読了時間: 2分

日本ではここ10年ほどで中国との関係に様々な目が向けられている。2011年の尖閣諸島における衝突から、防空識別圏の拡大や日本のシーレーンが通る南シナ海への強行的な進出など軍事的緊張が続いている。しかしその一方で訪日中国人観光客によるいわゆる「爆買い」によって莫大なチャイナマネーが日本に流れ込んできている。観光庁の発表によれば、旧正月も挟んだ今年の1〜3月の中国人観光客の消費は2775億円に及んだ。 「官」の視点と「民」の視点とでは中国に対する見方は違う。 さらに言えば「民」の中でも「産(企業)」の視点がある。こちらは安い人件費から中国国内に工場を設けてきたが、チャイナリスクの顕在化により、東南アジアなどさらなる新興国に移転する動きもある。だが企業にとり13億人の人口を抱えた中国は、決して無視することのできない巨大市場でもある。 しかしここで勘違いすべきでないのは「官」「民」「産」の視点はどれが正しいといったことではなく、全て成り立ちうるということだ。もちろんそれぞれが密接に関係しあうが、否定しあうことはない。だが日本では、ことに政治的なことになると二元的に考えがちである。いわゆるレッテルを貼ってものを考えよう、分類しようとする。「右翼」と「左翼」はその典型的な例だ。「官」の視点から中国を捉える人は、「民」「産」の視点を否定し、中国=悪の図式に当て嵌めようとする。また逆もしかりで、中国は大震災のときに救援にきたことを持ち出して、中国を脅威とみなす「官」の視点を「民」の視点から否定する。それでは泥沼である。 対中関係に限らず人は自分の視点からのみ世界を考えるのではなく多角的な視点を持つことによってこそ問題の解決を図ることが可能となるのだ。


 
 
 

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