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待機児童問題に見る都会と過疎地域の格差問題

昨今、保育園・幼稚園の待機児童問題が注目されている。注目されたきっかけとしては、とある主婦がブログに書き込んだ「保育園落ちた。日本死ね!」の一言だろう。言葉は汚いが、紛れもなく日本のママ達の意見を代弁している。この言葉はメディアに大きく取り上げられ、国会前での集会など大きな波紋を広げた。 この問題の原因には様々な要素が絡んでいるが、端的に言ってしまえば幼稚園・保育園の施設と、そこで働く保育士が少ないということだ。国も保育士の数を増やすなど、対策に追われている。 では、幼稚園・保育園は呼ばなくても園児が来る楽な環境にいるのだろうか?私の実家は田舎で幼稚園を経営している。日本全国で待機児童問題が起こり、どこも定員いっぱいなのだろうと思われているかもしれない。しかし、田舎の幼稚園・保育園は必ずしもそうではない。田舎の幼稚園の多くは、毎年園児が定員を満たさず、深刻な少子化に悩まされているのだ。 同じ国の中で起こるこの一見矛盾しているかのような事例。ここから読み取れるのは、この国の人口の極端な大都市一極集中である。今まず必要なのは、都市の保育施設を増やし、保育士の雇用環境の改善である。しかし、長期的な視野で見たときに本当に必要なのは、何よりも地方の発展である。都市のみが発達し、地方との経済格差をこれ以上広げないために、地方がいかに自らに魅力を持たせ、盛り上げていけるのかが、この問題の将来的な解決を左右するのではないだろうか。


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